てつじぃの日記

並河哲次 和歌山県新宮市議会議員 / Youth Library えんがわ館長

教訓の共有ー台風についての提案

前回の台風26号では、大規模な土砂災害が発生し、伊豆大島で多くの方が亡くなりました。
報道などでは、災害に対する町の危機管理の甘さが指摘されています。


2年前の紀伊半島大水害でも、多くの方が亡くなりました。
当時、新宮市でも、避難勧告や指示の遅れを含む危機管理の甘さが指摘されました。
その後、勧告や指示を出す基準をより明確化するなど、対策がとられています。


紀伊半島大水害の半年前には、 東日本大震災が起こっていました。
多くの人が、報道などで災害の恐ろしさやその教訓に触れていたにも関わらず、
「経験したことのないことで、まさか自分のところでこんな災害が起こるとは・・・」
という感想をもらしていたのではないでしょうか。行政もです。
僕自身、そういった部分をもってしまっていました。


これだけ、映像技術や情報伝達技術が発達しても、同じ失敗が繰り返されている気がします。
個人ならまだしも、住民の方の命を守るのが使命である行政が、「初めての経験」を言い訳にしていて良いとは思えません。
では、どうすれば良いのでしょうか。
ひとつ、提案したいことがあります。


「台風が来たとき、他の自治体職員の視察研修を受け入れる」


文字でも映像でも体験談でもなく、「実際に体験」してもらうのです。  
台風の場合、天気予報によっていつごろ来るのか、どのくらいの規模なのか、が分かります。
(地震や津波よりははるかに正確に)
そして、新宮市周辺は、台風の常襲地帯です。
一昨年は大水害、そして、昨年も、今年も、すでに避難勧告のでる台風が来ています。
台風が来る直前のタイミングから、他の自治体の防災対策の職員を視察に受け入れるのです。
視察研修に来る自治体の防災対策が手薄になってはいけませんが、各自治体1人くらいなら派遣することもできるのではないでしょうか。
実際に体験することは、他の何よりも、感じ・考えることができるはずです。
自分の自治体には何が足りていないのか、何が生かせるのか。
また、受け入れた自治体側も、学びはあるはずです。
現在、災害対策本部はどちらかというとクローズドですが、オープンにして良いのではとおもいます。オープンにすることにより、対応自体もさらに磨きがかかるでしょう。



一つの台風が来て、その時に、人的被害がでなければ万々歳だと思います。
でも、その台風を、次に日本や世界のどこかにくる大きな災害に対して生かすことができたら、
一つの台風が来た時に、未来の被害でさえ、抑えることができるのではないでしょうか。